コラム

【今村有希さん五段認定のウラ話&すべてのまとめ】

一年に渡った企画がついに完結!

先日のYouTube【囲碁】ついに結果発表!!今村有希キャスターは五段に合格できるのか!?に続き、今朝、TV版の放送も無事終了しました。

YouTube版では映っていませんでしたが、実は今村さんが涙を流すシーンがありました。投了の直前の手を打った瞬間に、上から碁盤を撮っていたカメラが止まるというアクシデントが発生したのです。そのため、撮影が約15分間中断しました。

こぼれた涙


その間に今村さんは見損じに気づき、涙がこぼれました。そして撮影再開のために気持ちを作り直すのにも、時間を要しました。

その様子は、テレビの内容を要約したこちらのWEB記事で手軽に見られますので、ぜひご覧ください!今村有希キャスター 囲碁五段に挑戦!昇段試験の結果は…

ただ、この見損じに関しては、自分としてはガチンコでやっていることが視聴者に伝わって、それはそれでよかったん良かったんじゃないか、と思っています。もしここで黒が完璧に乗り切って楽勝で終局したりすると、かえって“やらせ感”も出てしまうんじゃないか、と。


逆に言うと、そのくらいそれまでが良かったのです。実力は十分に伝わりましたし、私自身も「これなら堂々と五段を認定できる」と確信しました。

何を持って五段なのか?

しかしながら、「本当に五段の実力があるのか?」という懐疑の念を抱かれた方もあるでしょう。色々な評価の仕方があるので、そうした意見もあると思います。

というか、「そもそも何を持って五段を認定しているの?」という根本的な疑問もあると思いますので、そのあたりの背景も書き綴ってみたいと思います。

段級位には明確な基準はなく、「五段の人に互先で打てたら五段」です。それはまるで、貨幣価値の基準みたいなものかもしれません。「これは一万円です!」と宣言して、実際に一万円の価値があると感じて買う人がいれば、それで成立する。というような。

私の経験上、日本の一般的な五段と比べても、今村さんの実力は十分だと思います。そもそも、半年前に段級位認定戦で4連勝し、四段の免状を取得されています。四段で全勝できる人は、かなり五段寄りな四段です(笑)。そして、その時点からも明らかに実力をつけられていました。それも踏まえて、私も堂々と五段を認定できました。

もっと深く語る五段の定義


もっと細かく定義すると、「私がたくさんの人を見てきた経験上の所感では、現代の日本における一般的な五段として十分通用する」という認定です。例えば、ヨーロッパではかなり厳格なレーティングシステムが採用されているため、今村さんの段位はヨーロッパ基準なら初段程度に相当するでしょう。日本の段級位を4段階は下げないと、ちょうど良いバランスにならないと言われます。その点、日本では段位のインフレが避けられず、現在では両者の間に大きな差が生じています。日本の中でさえ、コミュニティによって基準に大きく差があることも普通にあります。

また、同じ五段でも、人によってその特徴は様々です。どんなレベルの人でも、強いところと弱いところがあります。同じ人でも、課題の部分をことさらに強調すれば、その棋力がないように見える面もあるでしょう。上手には弱いけど下手ごなしがやたらウマイ人もあれば、「自分は布石は高段者だけど、ヨセは級位者だ」などと自虐的に笑う人もあります。その点、今村さんの終盤力は、私の方が「ヨセられたんじゃないか?」と思うくらい圧巻でした。これはなかなかいないタイプでしょう(笑)。そして、全体的に、プロである私に対しても、大崩れしない強さがあります。

五段の定義や認定の背景については、話し始めるとキリがありません(笑)。ですが、それらを踏まえて今村さんの実力は、総合的に見てしっかりと五段の水準をクリアしていると私は確信を持っています。

長丁場だった当日の様子


さて、YouTubeもテレビ版も簡潔にまとまっていますが、実際の撮影は一日がかりでした。

朝イチでNHK名古屋に向かい、着物の着付けとヘアメイク等をしてもらいました。実は、きちんとした着物を着るのは今回が初めて。長時間正座していても全く足が痺れなかったので、改めて着物が和室に適していることを実感しました。

撮影は昼から開始。全行程が3時間程度で終わると予想していましたが、実際には大幅に延びてしまいました(笑)。

試験を受ける側の立場になれば、↑この男が目の前で圧をかけていますので(?)、相当なプレッシャーがあったはずです。簡単には手を決められません。

普段は早打ちの今村さんも、この日は長考の連続。さらにカメラトラブルなども重なり、投了の時点ですでに17時を過ぎていました。対局だけで3時間ほどかかりました。

そこから検討、エンディングの撮影と続き、本当に丸一日がかりの撮影でした。

ドラマ多き‟試験碁”

それにしても、こうして撮影を振り返ると、囲碁の試験というのもなかなかドラマがありますね。今村さんの涙、カメラトラブル、長時間の撮影——全てが詰まったこの企画の終幕。まさに、五段への試練を乗り越えた一日。この企画の集大成を良い形で締めくくることができました。今村さんが実力を発揮できなかったらどうしよう、などなどの不安もあったので、私自身も気が気ではありませんでした(笑)。

こうして今村さんの五段への道が一区切りついたことに安堵しつつ、囲碁を通じて深く関わり、この期間を一緒に走り切れたことへの、爽やかな喜びを感じています。

というわけで、五段合格おめでとうございました!!

(※↓この先の一番下にもおまけのウラ話があるのでぜひ読んでください!)

今村有希・囲碁五段への道のすべて

Web記事

1本目

今村有希キャスター 囲碁五段に挑戦!楽しさも伝えたい ウイークエンド中部 | NHK

2本目

今村有希キャスター 囲碁五段に挑戦!中間試験 ウイークエンド中部 | NHK

3本目(最終回)

今村有希キャスター 囲碁五段に挑戦!昇段試験の結果は…? ウイークエンド中部 | NHK

Youtube動画

1本目(プレイリストにもなっています)

【ドキュメンタリー】NHKキャスターの今村有希が囲碁で五段を目指す全過程の公開決定!第一話

2本目

【置き石3子対局】今村有希キャスターが囲碁プロ棋士に挑んだ結果〜応援企画第二話〜

3本目

【囲碁3子局検討】NHKキャスター今村有希の五段への道〜応援企画第三話〜

4本目

【めざせ囲碁五段企画】NHKキャスター今村有希さんの中間試験碁の結果は?

5本目

【解説編】囲碁アマ五段を目指す!NHKキャスター今村有希さんの中間試験碁を徹底研究!

6本目

【囲碁五段への挑戦】今村有希キャスターがついに最終試験対局へ!果たしてどうなる?

7本目(最終回)

【囲碁】ついに結果発表!!今村有希キャスターは五段に合格できるのか!?

スペシャルサンクス(もっとウラの話)

左は、本編にも何度も登場した囲碁インストラクターの山城浩揮さん。この期間、今村さんを熱心に教え、当日もずっと見守っていました!自分も彼から今村さんの様子を聞いたり、「ここはこれでいいかなあ?と何度も相談させてもらいました。そもそもこの企画の発起人の一人でもあります!

五段の免状も日本棋院から提供して頂きました。

「PRするから、免状ちょうだい」(過度な要約)

という趣旨の企画書を送り、話の分かるエラい人たちが許可してくれました。

日本棋院が誇る素晴らしい免状。Youtubeのラストシーンは、素晴らしいものになったんじゃないかと思います。

その他、多くの関係者のご協力に、この場をお借りして感謝致します!

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